痔核

痔核（いぼ痔）

皮膚と直腸の境目（歯状線）の皮膚側にできるものを外痔核、内側の粘膜にできるものを内痔核といいます。痔核にうっ血（血がたまった状態）が起こることで引き起こされます。

症状

出血：排便により、痔核が傷つくことで出血が起こります。
脱出：痔核がひどくなると脱出が起こるようになります。目安として、排便後に指で押して戻すような脱出になると手術の適応になります。
痛み：内痔核の場合、普通は痛みがありません。しかし痔核が大きくなり脱出して戻らない状態（嵌頓痔核）になると痛みが生じます。

治療方法

痔核のタイプや患者さんの状態にあわせて最善の方法を選んで行います。

保存療法

• ① 外用薬（軟膏、坐薬）
• ② 内服薬
• ③ 排便コントロール

注射療法

1.フェノールアーモンド

適応は軽度の痔核の患者さんが、もっともよい適応になります。効果は速効性で出血は止まります。しかし持続期は、ほぼ 3～6ヶ月前後です。脱出症状への効果は薄いです。

2.ALTA（アルタ）四段階注射法

注射剤を痔核の4ケ所に注入します。ただし根治性については結紮切除には及ばず、脱出を伴う痔核では１年で約15%の再発率が報告されています。比較的新しい薬剤のため10年、20年後の再発率はわかっていません。

当クリニックは内痔核治療法研究会の認定施設です。
内痔核治療法研究会

【手術療法】・・・結紮切除術

痔核を外科的に切除し、効果はほぼ永続的です。腰椎麻酔下におこない、手術時間は約10～20分で終了します。効果の根治性は治療法の中で最も高いと判断されますが、欠点は術後の疼痛と術後の後出血です。